Vol.3 人材紹介会社のウラ側、教えます

Vol.3 人材紹介会社のウラ側、教えます

人材紹介会社を使う企業はたくさんあります。
登録にはお金がかからず、成功報酬型。つまり、初期費用を掛けることなく、採用がうまくいかなければ、コストも掛かりません。企業側からすれば、こんなに良いシステムはありません。

ところが、いろいろと話しを聞いてみると人材紹介会社に不満を持つ経営者や人事担当者が多いのも気になります。一体なにが起こっているのでしょうか?

こんにちは、佐藤です。
人材採用や人材育成、開発に悩みを持つ皆さまに向けてこの記事を書いています。

中小企業にとって、優秀な人材を獲得することは重要な要素です。そのために、いろいろなことを考えて続けていますよね。その中のひとつ、人材紹介会社。今回は、そのウラ側に切り込んでいこうと思います。

わたしが人材紹介会社の営業担当なら…

前述した通り、人材紹介会社は、登録は無料、採用が成功した場合に「想定年収(※1)」の25%〜40%(※2)の手数料を成功報酬として支払うシステムです。

このシステムは採用する企業、特に資金力に乏しい中小企業にとってうれしいシステムですよね。初期費用がないため最初に持ち出す費用はなく、採用しなければ、一切費用がかからないわけですから。

多くの経営者はこう考えています。「仕事のできる優秀な人材であれば、少々給料を高くしてもいい」と。簡単に言えば、優秀な人材にはいくらでも払うよ、というわけです。ですから、人材紹介会社のようなシステムはとてもありがたいわけです。なぜなら、経営者が思うように、ご自身が「優秀だ!」と思った人材に対してのみ、お金をかければいいわけですから。

これは、採用する企業側の理屈ですね。

では、人材紹介会社の営業としての立場に立って考えてみましょう。
わたしが人材紹介会社の営業担当だとしたら、前述した考えの経営者のところには、あまり紹介しないと思います。なぜなら…

自分の売上にならず、営業成績上がらず評価されないから

よく考えてみてください。人材紹介会社の営業担当はボランティアでやっているわけではありません。むしろ自分の営業成績をあげ、会社から認められ、昇進なり給料アップなりのためにやっているのです。ということは、紹介しても、なんだかんだとケチをつけて採用してくれない経営者、人事担当者、企業には紹介したくないのです。

「それは、うちに合う優秀な人材を紹介してくれないからじゃないか!」とい怒号が聞こえてきそうですね(笑)そりゃそうです。だって、優秀の定義が曖昧なんですもん。

だから営業担当、まず手始めに、無難な人材から紹介し始めます。何人か紹介しながら、すり合わせをしていきます。その中で採用が決まれば、同じカテゴリーの人材をつぎつぎと紹介していきます。

ところがすり合わせの段階で文句言ってくる企業に対しては面倒くさいので、少しずつ離れていこうとするでしょう。あるいは、全く採用に結びつかなければ、レベルの高い人材しか採用しない企業=営業成績にならない企業として、「なかなか貴社に合う人材が出てこないんですよ」とか言って、紹介しなくなります。この言葉、言われた経験ありませんか?

(※1)想定年収とは…月給×12か月+賞与。交通費は含みません。平均の残業代を含んで算出することがほとんどです。
(※2)手数料のパーセンテージは人材紹介会社ごとに違います

採用人数が少なく、採用難易度が高い企業は人材紹介は向いていない

わたしが人材紹介会社の営業担当なら、狙う企業は「採用人数が多い」×「採用難易度が低い」ところです。当然、狙わないのはその逆、「採用人数が少ない」×「採用難易度が高い」ところ。

「採用人数が多い企業」というのは、年間で10名以上採用する企業。
「採用難易度低い企業」というのは、専門性の低い職種の採用をしている企業です。

逆に、

「採用人数が少ない企業」というのは、年間で10名未満。5名以下になると…。
「採用難易度高い企業」というのは、専門性の高い職種の採用をしている企業です。
ですから、例えば、採用人数1〜2名で、理系出身の技術・エンジニア職を採用したいというメーカーさんであれば、もちろん登録はしていただきますが、おそらく、営業担当は来なくなるでしょう。(他の採用人数が多く、採用難易度が低い企業さんのサポートで手一杯になりますからね。)

では、「採用人数が多い」×「採用難易度高い」企業はどうでしょう。おそらくお断りするのではないでしょうか?「採用人数が少ない」×「採用難易度が低い」企業はどうでしょう。おそらく片手間でやるでしょうね。

これが、人材紹介会社の営業担当側の理屈です。貴社の営業担当がこう思っているかどうかわはわかりませんが、少なくとも上司の立場であれば、どう営業成績をあげさせるか、を考えますので「採用人数が多くて、採用難易度が低い企業に行ってこい!」と指示しているはずです。

中小企業には人材紹介は向かない

いかがでしたか?

今回は人材紹介会社のウラ側を考察してみました。もちろん、日本にはたくさんの人材紹介会社があり、わたしの知り合いの人材紹介会社は手数料が一律で行なっている会社もあることはあります。

ただ、まずは自社の採用に関して見つめ直してみましょう。採用人数は多いですか?少ないですか?

大抵の中小企業は、1〜2名くらいの採用でしょう。ここで中小企業の経営者や採用担当者は、

1〜2名の採用に、手間をかけたくはない。
・高い採用広告にお金をかけたくはない。(初期費用を払いたくない)
・応募者の管理業務も面倒だ。

と考えて、だったら、人材紹介会社だろう。初期費用も抑えられるし、人材のプロが紹介してくれるんだから間違いない

となるわけです。
しかし、前述した通り、採用人数が少ないので、人材紹介会社の営業担当者からすると、優先順位は低くなります。

次に、採用難易度はどうですか?高いですか?低いですか?

採用人数が1〜2名でも、採用難易度が低ければ、紹介してくれるでしょう。ところが、採用難易度が高ければ…。
当然、紹介会社の営業担当者は尻込みするでしょうね。

人材採用は、さまざまな手法やツールがあり、それぞれに特徴があります。
便利か、不便か、効果があるか、ないか、というよりも、そもそも、私たちはなぜ採用活動をしているのか?自社にとって仕事のできる優秀な人材を獲得するためです。

最近ではSNSなどを使った採用活動がトレンドです。トレンドに乗って、手法を追いかけ続けると、常に新しい手法ばかりに目がいってしまいがちです。まずは、相手側に立って見ること、つまりは求職者や候補者、代理店、紹介会社などの立場になってみたとき、貴社に合う採用手法が見つかるのかもしれません。

それでもわからないというのであれば、弊社にご一報ください。相談に乗らせていただきます。

貴社の悩みや課題を、第三者に話してみませんか?
解決とまではいかないかもしれませんが、解決の糸口、ヒントは見つかるかもしれません。
ぜひ、お気軽にお声がけください。

※座談会は複数人で話し合うこと、討論会は1 on 1で話し合うことを指しています。
※zoomを利用した「オンライン」での実施とさせていただきます。
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